ワイトモを知る
ニュージーランド北島の中心付近に位置するワイトモ地方は、世界的に有名な洞窟群がある場所として知られています。この地域は、長い年月をかけて自然が作り出した美しいカルスト地形が特徴です。ワイトモの気候は穏やかな海洋性気候で、一年を通じて湿度が高めです。降雨量も多く、この豊富な雨が石灰岩の地層を浸食し、洞窟を形成してきました。
名前の由来は、マオリ語で「水が流れる洞窟」を意味する”Wai”(水)と”tomo”(洞窟)からきています。その名の通り、この地域は無数の地下水路や洞窟が張り巡らされており、独特の地質学的魅力を持っています。
ワイトモへの行き方
私はバスツアーでホビット村を組み合わせたバスツアーで行きました。その時に調べた情報を記載します。ホビット村のブログはこちらで紹介しておりますので、ぜひご覧になってくださいね。
バスツアーの料金は、ツアー内容によって異なりますが、おおよそ以下の範囲です。
- ワイトモ洞窟のみを訪れるツアー:36,000円〜38,000円程度
- ワイトモ洞窟とホビット村を組み合わせたツアー:38,000円〜47,000円程度
時間については、少し長く感じました。一般的には下記程度の時間を見越しているようです。ちなみに私の帰りは16:30位にオークランドに戻って、スカイタワー近辺の降車場に到着しました。
- ツアーの全行程は約11.5時間〜12.5時間
- オークランド出発は通常朝7:00頃で、帰着は18:30頃
準備すべきことは次の通りです。
- 歩きやすい靴:洞窟内は凸凹した場所もあるため、歩きやすい靴を着用しましょう。
- 防寒着:洞窟内は涼しいので、薄手のジャケットなどを持参するとよいでしょう。
- カメラ:ワイトモ洞窟内では撮影が禁止されている場所もありますが、その他の場所では素晴らしい景色を撮影できます。
- 昼食代:多くのツアーには昼食が含まれていないため、昼食代を準備しておくとよいでしょう。
また、注意すべきことは次の通りです。
- ツアーは英語ガイド付きが一般的ですが、日本語ガイド付きのツアーもあります。
- 予約は早めに行うことをお勧めします。人気のツアーは売り切れることがあります。
- ツアーの多くは、24時間前までキャンセル無料のオプションがあります。
ワイトモ洞窟とホビット村を組み合わせたツアーは特に人気があり、ニュージーランドの自然と文化を一度に楽しめる魅力的です。値段も大きく変わらないので組み合わせのツアーをお勧めします。
ワイトモ洞窟
UnsplashのLuca Calderoneが撮影した写真
歴史
ワイトモ洞窟の歴史は約3400万年前から2300万年前にさかのぼります。当時の海底に堆積したサンゴや貝殻が石灰岩となり、地殻変動によって隆起しました。その後、雨水が石灰岩を浸食して洞窟を形成しています。
1887年、マオリの首長タネティニ・タイウと英国人調査員フレッド・メイスが共同で洞窟の探検を行い、その美しさを広く知らしめました。その後、1900年代初頭から観光地として開発され、現在ではニュージーランドを代表する観光スポットとなっています。また、洞窟の所有権は一時政府に移されましたが、後にマオリ族の手に戻されています。
見どころ
ワイトモ洞窟の最大の見どころは、天井に無数の青白い光を放つ土ボタル(Glowworms)です。洞窟内をボートで進むと、暗闇に浮かぶ星空のような幻想的な光景が目の前に広がります。その光は幼虫が食物を引き寄せるために分泌する光る物質によるものです。
鍾乳洞
洞窟内部では、長い年月をかけて形成された鍾乳石や石筍も見逃せません。それぞれが独自の形状を持ち、自然の力が作り出した芸術作品とも言えます。特にアラヌイ洞窟では多彩な色合いの鍾乳石を見ることができます。
土ボタル(Glowworm、カリキノコバエの幼虫)
土ボタルはワイトモ洞窟の象徴ともいえる存在です。この生物はニュージーランド固有種で、幼虫期にしか光を発しません。洞窟内の適度な湿度と暗さが彼らの生息環境を支えています。幼虫が食べ物を引き寄せるために分泌する光る物質は「ルシフェリン」と呼ばれ、幼虫のお尻の先端から分泌される粘液に含まれています。この光は化学反応によって生成され、小さな虫を引き寄せて捕食します。観光客は静かに観賞することで、彼らの美しい光を最大限楽しむことができます。
ブラック・ウォーター・ラフティング
冒険好きには、ワイトモ洞窟でのブラック・ウォーター・ラフティングがおすすめです。専用のゴムチューブに乗り、洞窟内の川を下るアクティビティで、スリル満点の体験が待っています。流れる水の音を聞きながら、暗闇に光る土ボタルを楽しむこの体験は、他では味わえない特別なものです。
興味深い話と豆知識
ワイトモ洞窟が宮崎駿監督の映画「天空の城ラピュタ」に登場する飛行石のモデルになったという説は、多くのファンの間で語られています。この説によると、映画に描かれる飛行石が発光する様子は、ワイトモ洞窟内で観光客を魅了する土ボタルの光景と非常に似ていることから、インスピレーションを得た可能性があると言われています。
実際、洞窟内の暗闇に浮かび上がる無数の青白い光は、まるで魔法のような世界を作り出しており、「ラピュタ」の幻想的な雰囲気と通じるものがあります。特に映画のシーンで描かれる神秘的な光の描写や、自然と調和した世界観は、ワイトモ洞窟の美しさを彷彿とさせるものです。
ただし、公式には宮崎駿監督やスタジオジブリからこの洞窟をモデルとしたという発表はありません。そのため、あくまでファンの間での噂の域を出ない話ですが、ワイトモ洞窟を訪れることで「ラピュタ」の世界を身近に感じられると、多くの観光客がこの地を訪れています。
もし興味を持たれた方は、ワイトモ洞窟に足を運んで、その光景を自分の目で確かめてみるのはいかがでしょうか?もしかしたら、「ラピュタ」の飛行石に隠された秘密を感じ取ることができるかもしれません。
ルアクリ洞窟
歴史
ルアクリ洞窟は、ニュージーランドのワイトモ地域にある魅力的な観光スポットで、地元のマオリ族にとって神聖な場所とされています。「ルアクリ」という名前はマオリ語で「ルア」(洞穴)と「クリ」(犬)を組み合わせたもので、古代マオリ族のハンターにまつわる興味深い逸話が残っています。この洞窟は何百万年もかけて形成された美しい鍾乳石と石筍が特徴で、1890年代に観光地として一般公開されました。
見どころ
ルアクリ洞窟は、その滑らかな石灰岩の壁面と透明な地下水路が特徴的です。洞窟内にはライトアップされた鍾乳石や石筍があり、訪れる人々を神秘的な雰囲気で包み込みます。また、ホールデン洞窟やドラム・パッセージ、プリティーズなどユニークな名前が付けられたエリアもあり、それぞれが異なる魅力を持っています。
さらに、訪問者が地下の滝の轟音を耳にすることができるのも、この洞窟の大きな魅力です。ツチボタルの青白い光も見られるため、ワイトモ洞窟と同様に幻想的な体験ができます。
興味深い話と豆知識
- 初めて一般公開したのはジェームズ・ホールデンという人物で、彼の名を冠したエリアも存在します。
- 洞窟ガイドの多くは地元出身で、祖父母から引き継がれた伝統を守り続けています。
- 洞窟内の探検には平均2時間を要し、その間に地質学的特徴やマオリ文化について学ぶことができます。
- ワイトモ地域全体には200以上の洞窟があると言われ、「ワイ」(水)と「トモ」(穴)の組み合わせからその名が付けられています。
ルアクリ洞窟は、自然の造形美と文化的価値が融合した場所であり、訪れる人々に忘れられない体験を提供します。
アラヌイ洞窟
歴史
アラヌイ洞窟は、約100年前に発見されたワイトモ地域の中でも特に美しい鍾乳洞の一つです。この洞窟は、地元のマオリ族や観光客から愛され、現在ではワイトモの主要な観光スポットの一つとなっています。森林保護区内に位置しており、周囲の豊かな自然環境も魅力です。
見どころ
アラヌイ洞窟は、色とりどりの鍾乳石や石筍が特徴で、その美しさは訪れる人々を魅了します。洞窟内にはピンク、白、薄茶色などの色彩豊かな鍾乳石があり、まるで自然が作り上げた芸術作品のようです。また、他の洞窟とは異なり、一部エリアでは写真撮影が許可されています。観光客は、その場の景色を写真に収めつつ、洞窟探検を楽しむことができます。
観光客の口コミ
訪問者からは「美しい」「訪れる価値がある」といった感想が多く寄せられています。特に、写真撮影が可能である点は高く評価されています。ワイトモ洞窟で撮影が禁止されているため、アラヌイ洞窟で自然の美しさを記録できることが観光客にとって大きな魅力となっています。
興味深い話と豆知識
- 洞窟内には土ボタルは生息していませんが、その代わりに多彩な鍾乳石の美しさを楽しむことができます。
- 洞窟の歩道は整備されていますが、一部狭い箇所や凸凹した場所もあるため、歩きやすい靴での訪問がおすすめです。
- 洞窟内の奇岩や水晶の壁など、独特の地質学的特徴が観光客にとって興味深いポイントとなっています。
アラヌイ洞窟は、その独特の自然美と特別な体験ができる観光地として、多くの人々に感動を与えています。
まとめ
UnsplashのNicole Geriが撮影した写真
ワイトモは、自然の造形美と神秘的な光の体験を提供する魅力あふれる地域です。ワイトモにはルアクリ洞窟、アラヌイ洞窟もあり、それぞれの魅力があり貴重な体験が出来ます。土ボタルは世界遺産にもなっている大変貴重な生き物ですので見る価値は大変高いです。また、ワイトモとジブリのもしかしたらの意外な関係性も面白いですね。ぜひ訪れて、自分の目でその幻想的な世界を確かめてください!
コメント